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競馬 思い出の歴史

時代は移り変わる。けれども今も変わらぬことがある。それは武豊がトップを走り続けているということ。そして、彼は日々進歩しているということ。

私の夢キタサンブラックとテシオの教え 宝塚記念Ⅱ

 終わってみれば、長距離GⅠ2勝。こんなことは誰が予想できたであろうか。

菊花賞は兎も角、春天まで制すとは…。母父サクラバクシンオーである。そう思った玄人のファンも多かったのだろう。キタサンブラックは菊を制した後、有馬記念で3着、大阪杯は完璧な競馬をしたものの斤量の2キロ軽い横山典弘のアンビシャスに躱され2着。春天では、武豊の完璧な騎乗で1000m1:01:8というスローで逃げて叩き合いを制しての勝利。終わってみれば、長距離GⅠ2勝馬。

 

 母父サクラバクシンオー

 

 これはメディアが菊に出ると分かった時点から、いや、ダービーの時から不安材料として挙げる人がいた。ダービーで唯一掲示板を外した原因をこれに求める人までいた。彼らに言いたい。

“あなたはテシオを知らないのか。天才馬産家フェデリコ・テシオを。”

と。競馬を報道するならば、天才馬産家フェデリコ・テシオぐらい知っていて欲しい。イタリアダービーを22度制した彼は、イタリアダービーを制すだけでは飽き足らず、フランスやイギリスまで侵略した。彼の成功は世界に衝撃を与えた。それまで競馬二流国として見下してきたイタリアの馬ネアルコが英、仏ダービー馬を破りパリ大賞典を制したことは彼らにとって屈辱意外の何物でもなかった。ネアルコを擁し、ヨーロッパを席捲し、

“イタリアに天才馬産家フェデリコ・テシオあり”

とその名を世界中に轟かせた。彼はネアルコのみならず、ネアルコの母であるノガラやテネラニボッティチェッリ更にはリボーまで生産した。次の言葉が、その彼の口癖であった。

 “一流馬の血統には、近い祖先に必ず一流のスプリンターがいる。”

 そして、彼はこうも言っている。

 “クラシック級の素質を持ったステイヤー血統において近い祖先に必ず優秀なスプリンターを発見するだろう。持久力で勝利を続けるためには、1200,1600mの一流のスプリンターの血が必須で、短距離のスピードのない馬で、4000mの勝ち馬は種牡馬として失敗したことを発見した。優秀なスプリンターの血が入っていなければ、卓越した能力を持った馬生産することは困難である。それは、スピードと神経的エネルギーの爆発は同義語であり、それに欠けているからだ。”

と。この2つの言葉の意味すること。それは、キタサンブラックが成功すべくして成功したということ。にも関わらず、メディアは繰り返し懸念材料としてしか母父サクラバクシンオーを取り上げなかった。が、テシオは私に教えてくれた。キタサンブラックが盾を制す可能性があることを。そして、彼が一流馬であることを。その上、まだ見ぬキタサンブラックの仔が成功する可能性が高いということを。まだ、4歳春であるキタサンブラックの未知なる可能性を教えてくれた。しかし、種牡馬入りをするためには、中距離全盛である昨今では、中距離GⅠを勝つことが必須である。そのために、宝塚記念を制覇して欲しい。勿論、ドゥラメンテが強いのは言うまでもない。そして、シュヴァルグランやアンビシャス、マリアライトといった馬たちも侮れない。

が、そこは幾多の困難も乗り越えてきた天才武豊である。気難しいイナリワン宝塚記念を制した武豊である。まだ、この馬の底は見えていないと私は思う。そして、キタサンブラックは競馬の自在性がある。その上、春天で見せた闘争心、勝負根性が、彼にはある。そして何より、馬主生活50年で漸く、そして、初めて北島三郎オーナーの掴んだGⅠ。近頃、少なくなってきた金は出すが、口を出さないホースマンをプロとして全幅の信頼を置く、古き良き馬主のオーナーに上半期のドリームレース勝利を。オーナーにGⅠ制覇をもたらしたキタサンブラックでグランプリを。天皇賞春秋連覇に向けてまず、ここを。ドゥラメンテを倒して、秋へ。国内を制せば、海外へ。凱旋門賞も……。それは少し夢を膨らませ過ぎかもしれないが、夢を抱くのは自由である。競馬なら尚更である。何がともあれ、先ず、兎に角、宝塚を。

 あなたの夢、私の夢。私の夢はキタサンブラックです。