競馬 想い出の歴史

競馬といえば、武豊

前が残らず........ ヴィクトリアマイル回顧

“先行馬が”  “前残りだ”

と言われていたのだが、中団に控えたストレイトガール、ミッキークイーン、ショウナンパンドラでの決着。直線でインを突いた戸崎の好騎乗。そしてさすがは名門と呼ばれる藤沢英厩舎だけある見事な勝利。結果は1:31:5のレコードでストレイトガールの圧勝。ミッキークイーンは21/2馬身差の2着。ショウナンパンドラはハナ差の3着。スマートレイアーが11/4馬身差の4着。クイーンズリングは8着に沈んだ。レコード決着は前に行ったスマートレイアーレッドリヴェールが潰しに行ったのも一因だが、馬場を馬の負担を考えずにGⅠでヤケに高速馬場にするJRAの所為であるから今更驚くこともない。

 先行馬が全て沈んだ。

先行馬で掲示板を確保できたのはスマートレイアー4着が精一杯であった。前が残ると言われたこのレースにおいて一頭も残らなかったのは展開によるもの。いつもは“前残りのレース”などというありふれた十把一からげの情報は一応見ておくが然程重視しない。何故か?それは競馬が不特定多数の敵と鎬を削るギャンブルであるから。回りくどい。簡単に言おう。競馬で馬券を買った時勝負の相手は自分以外の馬券を買った人全てである。競馬場やWINSにいる人は勿論、PATで買った人など兎に角それが友人であろうと同僚であろうと知らないジジイであろうとはたまた恋人であろうと関係なくみんな回りは敵である。その上、ギャンブルであるから元締が儲かる様になっている。そうしないと成り立たない。だから1人気の単勝回収値は70~80なので1人気を買い続けるとマイナスになる。だから、自分以外の馬券を買った人はみんな敵である。だから、毎レース同じ情報を同じ様に分析して同じ様に賭けていれば勝つことはできない。それに競馬は何が起きるかわからない。

閑話休題。今回は“前残り”を信じた。と言うよりも、スマートレイアーを信じていた。最近では、折り合うこともでき、前に行っても控えても競馬ができる様になっていた。逃げても良い。番手でもいい。そして、鞍上は武豊。勝つべくして勝つ。勝利の条件の全てが揃っていた様に思えた。が、予想だにしないことが起きた。予想外のことが起きるのが競馬でありGⅠなら尚更なのだが、それでも不運の一言では片付けられない程これ以上ないという様な理不尽としか言い様のない展開になった。それでもスマートレイアーは最高のパフォーマンスであった。武豊の騎乗も良かった。まあ、勝っていないのだから彼の騎乗に落ち度は確実にあった。今回のスマートレイアーの敗因は武豊の次の言葉に集約されている。

「まさかレッド(レッドリヴェール)が行くとはね…」

“レッドが行くとは......”

これはドンキが行ったら番手でということだったのだろうか。実際好位ではあったが、石川裕紀人とリヴェールの作るペースは先行馬には剰りに苛酷なものであった。

1000m 57.2

これはリオンディーズが掛かり気味に先頭に立ったあの皐月賞でも57.8。如何にハイペースだったかが良く分かる。リヴェールは直線に入る頃には既に力尽きていた。そして結果は勝ち馬から2秒も離されて14着と大敗。

結局何がしたかったのか分からない。

その上、カフェブリリアントが掛かって絡まれハイペースに拍車がかかった。

「道中で他馬に絡まれる展開でも我慢は利いていた。直線で一度は伸びる感じがあったけど、最後は脚が上がってしまった」

武豊が言っている様に掛かることはなかったもののこのハイペースではさすがにキツかった。

12.3 - 10.4 - 11.1 - 11.9 - 11.5 - 11.4 - 11.3 - 11.6

終始11秒台の ハイペースこれが先行馬有利と言われているヴィクトリアマイルで先行馬が沈んだ原因だろう。それでもスマートレイアーは上がり3F34.5秒で武豊が最後少し伸びたと言っていた。57秒で前にいたにも関わらず、伸びた。負けて強しの一戦でありスマートレイアーのポテンシャルの高さ再認識させるものであった。